翔べないひよこのブログ

早稲田大学の三年生です。孔子の説く道を志して日々、儒学を学んでいます。専門としては古典中国学と明治漢学者の『論語』解釈になります。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『論語注疏』学而篇第七章「子夏曰賢賢易色〜」

今回は学而篇の第七章を扱います。現代語訳は注疏と合わした訳を心がけましたが、根本先生の『論語講義』に全く異なる解釈が書かれていたので、最後<補説>にて紹介したいと思います。赤字は阮元による校勘です。 <原文> 子夏曰賢賢易色 <訓読> 子夏曰…

『論語注疏』学而篇第六章「子曰弟子入則孝出則弟〜」

今回は学而篇第六章を扱っていきます。短いながらも、学問といかに向き合うかの示唆を与えてくれる章だと思っています。 なお、本文の現代語訳に関しては根本通明先生の読みを参考にさせて頂いてます。 <原文> 子曰弟子入則孝出則弟 <訓読> 子曰く、弟子…

『論語注疏』学而篇第五章「子曰道千乗之國〜」⑤

また少し間が空いてしまいました。今回で第五章の注疏は最後です。 <原文> 包曰作事使民至奪農務 <訓読> 「包曰作事使民」から「奪農務」に至るまで。 <現代語訳> 「包曰作事使民」から「奪農務」に至るまで。 <原文> 正義曰云作事使民必以其時者謂…

『論語注疏』学而篇第五章「子曰道千乗之國〜」④

一週間ほど間が空いてしまいました。今回も相変わらず、学而篇第五章の注疏の訓読訳になります。 <原文> 必有二法者聖王治國安不忘危 <訓読> 必ず二法有る所以は聖王の國を治むるに、安にして危を忘れざればなり。 <現代語訳> 出軍の法が必ず二つある…

『論語注疏』学而篇第五章「子曰道千乗之國〜」③

今回も前回の続きです。冒頭部にまた土地に関する話があります。 <原文> 又以此方百里者一六分破之毎分得廣十六里長百里 <訓読> 又此の方百里なる者一を以て六分して之を破らば、毎分に廣さ十六里、長さ百里を得る。 <現代語訳> 又、此の方百里一個分…

『論語注疏』学而篇第五章「子曰道千乗之國〜」②

前回からの続きで今回は疏から始まります。 <原文> 子曰道至以時 <訓読> 子曰くから時を以てすに至るまで。 <現代語訳> 子曰くから時を以てすに至るまで。 <原文> 正義曰此章論治大國之法也 <訓読> 正義に曰く「此の章大國を治むるの法を論ずるな…

『論語注疏』学而篇第五章「子曰道千乗之國〜」①

今回は『論語注疏』学而篇の第五章を扱います。古代の統治体制への言及があり、特に『司馬法』の説く所はイメージするのが難しく、此の箇所の読みにはとりわけ自信がないです。ご指摘等あればぜひお願いします。 <原文> 子曰道千乗之國 <訓読> 子曰く千…

『論語注疏』学而篇第四章

今回は学而篇第四章を扱う。 *太字は『論語』本文で、細字が注疏である。 <原文> 曾子曰 <訓読> 曾子曰く <現代語訳> 曾子が言うには、 <原文> 馬曰弟子曾参 <訓読> 馬曰く弟子の曾参なり <現代語訳> 馬融の言葉によると弟子の曾参のことである…

『論語注疏』学而篇第三章「子曰巧言令色鮮矣仁」

今回は学而篇の第三章を扱う。 <原文> 子曰巧言令色鮮矣仁 <訓読> 子曰く、巧言令色鮮ないかな、仁。 <現代語訳> 孔子先生が言うに「仁者と呼ばれる人に、言葉を巧みにして人に取り入り、自分の顔色を良くして相手を喜ばす者は少ないものだ。」 <原文…